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小説「阿部 寛事件」 ~ 解決編 ~ [小説]

いよいよ、今夜は解決編[exclamation×2]
あなたの推理はあたっているかな[exclamation&question]

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@ 解決なのです @

気合を入れるように、ずり下がった眼鏡を人差し指で押し上げて、言った。
「犯人は、北斗さん、だと思います。」
間違っていたら、大事だ。冗談ではすまされない。その時は、秋葉警部も、なんらかの処罰を受ける。
ここに来たときは、その位覚悟を決めてきただろうが…。
先ほどまではクーラーが寒かったが、今ではじんわり汗がでている。
「ほう。」
秋葉警部は、急に鋭い眼差しになり、弄んでいたポッキーの箱を置き、手を組みなした。
私は、期待の眼差しを感じてどぎまぎしながらも、キッパリと告げた。
「たぶん、谷准教授は、その年の研究生を、いろんな語呂合わせというか連想で、他の人物に置き換えて、その人物のプロマイドを飾ってたんじゃないかな、と思うんです。たとえば、西さんをそのままカッコいい人物ではなく、”西”つまりスペイン画家の<<サルバドール・ダリ>>と置き換えてた。なんて事はないですか?」
「スペインって”西”って書くの?」
と、書棚にある辞書で調べだす。
いやいや、突っ込むところ、そこじゃないですから!
「おお!ホントだー!で?」
「北斗さんの場合、とても優秀だそうですから、成績もA、Bばかりだったのかも。山手大学は、成績に厳しい大学で有名ですから、Bでさえ、なかなか取れないって噂ですから。そんな大学の中で、谷准教授はABばかりの成績者をみつけた。そこで”AB”つまり”あべ”と置き換えて”阿部寛”にしたのかな、と推測してみました。」
「なるほど。”AB”で阿部。”C”ばっかりなら、加山雄三か。」
”C”つまり”可”が山の様にあるから、加山雄三…。
こんな時でも、ギャグが出る秋葉警部にちょっと呆れる。、
秋葉警部は、アイスコーヒーの残りを全部飲み干すと、
「参考になったよ。コーヒー、ご馳走様。忙しい時にごめんな。」
とイチゴポッキーの箱と共に去っていった。

後日、秋葉警部の話では、やはり犯人は北斗さんだった。
なんでも、今回初めてC(可)を取ってしまい、谷准教授に
「これじゃ、阿部寛(AB)じゃなくて、アベシ!(ABC)だなぁ」
と”ケンシロウ”の真似をされたらしい。
最近は、パチンコの影響で、”北斗の拳”の人気が復活したのだそう。

小学校の頃から、そのネタで散々からかわれていた北斗さん。
つい、カッとなって近くの”はりせん”で叩いてしまったらしい。
谷准教授は思いがけない逆襲に、バランスを崩して後ろに倒れてしまった…というのが真相らしい。

ちなみに、学会の論文及びは発表は、散々のできだった…。
(完)

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小説「阿部 寛事件」 (6/7) [小説]

では、続きをどうぞ!
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「西君は、どちらかっていうと、嵐の相葉雅紀だなぁ。結構もてるらしいぜ。北斗さんには、現在恋人はいない。勉強一筋!って感じでねぇ。オジサンには、研究内容との落差が、グッとくるねぇ。そうそう、発見者の日暮 千穂さんは、いまどき珍しい程のベリーショートスタイルなんだけど、これが似合うんだよねぇ。」
秋葉警部は、日暮千穂さんを思い出したのか、遠い目をした。
「秋葉警部!鼻の下、伸びてますよ!」
なんだか、ちょと腹がたってくる!こっちは、学会準備の手を止めて、話を聞いているのに!やっぱり男の人って美人に弱いんだなぁ…。
「おっと!失礼!」
「秋葉警部こそ、阿部寛じゃないですか?大柄だし、日焼けしてますし。」
ちょとふくれっ面しながら、言う。
「俺がかい?それなら、石原裕次郎といってくれよ。」
でもね~、秋葉警部って、裕次郎って柄じゃないんだよねぇ。秋葉といえば、秋葉原。
秋葉原といえば、昔は”電気街”だったけど、今では”アニメオタクの聖地”と化してしまった感がある。
秋葉警部が、コミケとかで、紙袋もってウロウロするの??
クックックッ、笑っちゃう!
ん?連想?ちょっと待ってよ…???
「もしかして、分かったかも。」

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明日は、いよいよ、解決編[ぴかぴか(新しい)]

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小説「阿部 寛事件」 (5/7) [小説]

ではでは、続きをど~ぞ!
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「なんか、難しい事話してたけど、結局は<<笑いを数値化する>>って事らしい。」
ここで、喉が渇いたのか、秋葉警部は勝手にお茶場に行き、コーヒーを淹れ始めた。
ついでに、氷を入れて、即席アイスコーヒーに仕立て上げる。
クーラーが効いているのに、アロハシャツにアイスコーヒーって、寒くないんだろうか?ついでに、自分のコーヒーも淹れなおす。
もちろん、砂糖とミルクたっぷり入ったホットだ。
「お笑い芸人のネタを”数値”化して、どれだけ面白いかって定量化する研究なんだそうだ。」
そんな事、できるんだろうか?だいたい、どんな事に役に立つ?
「ちなみに、谷准教授の周囲に<<阿部寛>>さんって、いないんですよね?」
「これがさ、いないんだよねぇ。ゼミの研究生は全員で4人。他に事務関係の処理を行う女性が1名いるんだが、その周辺にもいない。」
ま、こういう事は最初に調べるわな。フツー。
「西って人は<<阿部寛>>に似ているとか?実は、北斗さんの恋人が<<阿部寛>>似で、そいつが犯人とか!」

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続きは、又明日[黒ハート]

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小説「阿部 寛事件」 (4/7) [小説]

では、続きをお楽しみ下さい♪
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「それが、襲われた時の記憶がないらしい。ショックで短期間の記憶が抜けることは、ままある事のようだ。本人は、なぜいくつかあるプロマイドから、<<阿部寛>>を選んだのか、わかないといんだよねぇ。」
と、ポッキーをポリポリ。
「いくつかって、そんなにプロマイドがあったんですか?」
「なんでも、プロマイドの収集が趣味だったらしくてね。結構あったらしいよ。<<加山雄三>>から<<モーニング娘>>まで。実際に机の上に飾ってあったのは数枚だったけどね。」「どんなのが、飾ってあったんですか?」
と好奇心100%で聞いてしまう。
「えっとね。<<阿部寛>><<サルバドール・ダリ>><<佐野史郎>><<深津絵里>><<ペネロペ>>だったらしい。<<ペネロペ>>は3歳のコアラの女の子という設定のキャラクターだよ。知ってる?」
残念ながら、知りません。
私は、ワケが分からなくなってきた。
「それで、犯人の目星が付いていない?」
「うんにゃ、捜査の結果、谷准教授のゼミに所属する2人の研究生に絞られた。2人とも、アリバイがあやふやで、かつ、動機がある。」
そこから、絞り込めない、と。
何かヒントでもあれば、って事で、ここに来たわけだ。
「1人目は、西 大悟(にし だいご)君、23歳。まぁ。普通の大学生だねぇ。良くバイトしてサークル活動にも励むタイプ。当日は、家で一人ゲームをしていたそうだ。2人目は 北斗 友花(ほくと ともか)、22歳。優秀な学生だが、ちょっと融通が利かないところがあるようだ。当日は、ショッピングセンターをブラブラしていたというんだが、証人となる人がいない。」
「北斗さんって、女性だよね?」
「そう。はりせんといっても結構重いんだが、女性でもその気になれば、ふりあげられるだろう。」
と、ポッキーの箱をはりせんもどきにして、ふりあげる真似をする。
ま、確かに頑丈に作っても、そんなに重くはしないだろうなぁ。
「はりせんは、犯人が持ってきた物なんですか?」
「うんと、研究室にいつも置いてあったものらしいねぇ。だから、計画的な犯行ではないと思われる。」
「ところで、谷准教授のゼミって、何を研究しているんですか?」
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続きは、また明日!

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小説「阿部 寛事件」 (3/7) [小説]

では、続きをお楽しみくださいませ。
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「突然、なんなんですか~!もう。学会への締め切りはもうすぐなんですから!」
そう、明日の17時までに、この論文を仕上げないといけないのだ。
ここ数日、研究室に泊り込みで、かなりイライラしている。
出していないのは、私だけ。
他のメンバーは既に提出済みで、余裕の帰宅。
「や~や~、それは大変な時に来ちゃったねぇ。」
と、秋葉警部は肩をすくめた。
「じゃ、さ。ちょっと息抜きにオジサンの小話でも、聞いてくれないかな?」
全く、人の話を聞いていない。
「阿部寛事件、興味わかない?」
と、ウィンクもどきをする。
「阿部寛事件…ですか?」
事件と聞くと、俄然興味が湧いてくるのが、我ながら嫌になってしまう。
しかも、何故<<阿部寛>>?
「ま…ね。これがさ~、なかなか突破口がなくってねぇ。」
そういいながら手近の椅子に座ると、ポッキーの口を開け、1本取り出す。

「事件は、1週間前。」
と、ポッキーを立てる。
ええい、後は、明日頑張ろう!と気持ちを切り替える。
「発見されたのは、午後5時。発見者はゼミの学生、日暮 千穂(ひぐれ ちほ)さん。被害者はねぇ、発見された時、<<阿部寛>>のプロマイドを握り締めていたんだ。」
「で…<<阿部寛>>事件。」
なんちゅー命名方法。
「そう。被害者は、山手大学情報学部の准教授、谷 慶介(たに けいすけ)さん。自分の研究室内で、前からはりせんで頭を殴られた。殴られた勢いで、後ろに転等して、後頭部を強打。発見されるまで、気を失っていたらしい。倒れた時に、机に飾って置いたプロマイドが一緒に落ち、その中から<<阿部寛>>のプロマイドを被害者が握っていた。幸い、怪我は大した事は無かったようで、既にピンピンしている。」
「前から襲われたんだったら、犯人は分かっているのでは?本人に聞けばいい話でしょ?」
当然の疑問だ

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続きは、また明日!

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小説「阿部 寛事件」 (2/7) [小説]

では、続きをお楽しみ下さいませ。
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@ 第1章 事件なのです! @

「やぁ。研究の方は進んでいる?」
パナマ帽子にアロハシャツ、チノパンと、クールビズしている浅黒の男が立っていた。
警視庁きってのはぐれ刑事、秋葉(あきば)警部だ。
いろんな事件に勝手に首を突っ込むので、”はぐれ刑事”と呼ばれている。
以前、ちょっとした事件に関わったことから、知り合いになったのだ。
私のイチゴポッキーを右手に、挨拶代わりか、片手をひらひらさせている。
「ちょっと、警察といえども、勝手に入ってこないでくださいよ!関係者以外立ち入り禁止ですよ!」
真後ろにある、扉を指し示す。
「そんなこと、みるくちゃんと俺の仲じゃないか~」
イチゴポッキーをフリフリしながら、秋葉警部はしれっと言った。
<<上野美留玖(うえのみるく)>>とは、私の名前。
色白の美肌は誰にも負けない自信がある!!!
2重のパッチリしたお目目に、愛くるしい唇。
が、友人に曰く、この巨体&分厚いレンズの眼鏡が全てをチャラにしているそうだ。
只今彼氏なし歴24年目を更新中…(涙)
ちなみに、双子の姉は<<上野苺>>。
2人合わせて<<苺みるく>>。両親の大好物だ。

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続きは、また明日[黒ハート]

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小説「阿部 寛事件」 (1/7) [小説]

なんちゃって小説を書いてみました。
暇つぶしにでも、読んで楽しんでいただけたら、と思います。

題「阿部寛事件」
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@ プロローグ?! @

ふと、ディスプレイから目を離すと、傍に置いたイチゴポッキーの箱が無くなっていた!この研究室には、わたししかいないはず。なのに?!
背中に人の気配を感じて振り向くと…。
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この続きは明日!

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